結城浩のはてなブログ

ふと思いついたことをパタパタと書いてます。

狂人

このゲームのトリックスター、それが狂人です。狂人は人間でありながら、人狼側に立ち、人狼側の勝利を目指して混乱を引き起こします。占い師の占いでも、霊能者の霊視でも、狂人は「人間」と判定されます。つまり、狂人が存在するために、占い師や霊能者の判定はグレー味を帯びざるを得ないことになります。たとえ「人間」と判定されても「村人側」とはいえないからです。
新米の狂人は、議論を乱そうとします。妙な推理を開示して他の人を混乱させようとします。しかし、あからさまにそんなことをすれば狂人疑いがかかるのは必至。最終局面では投票の対象となるでしょう。一方、熟練した狂人はあくまで冷静です。議論の流れを見極め、自分が協力すべき人狼を的確に見つけ出し、さらにさりげなく自分が狂人であることを人狼側に伝えます。占い師を装えばあくまでも占い師のように、霊能者を装えばあくまでも霊能者のように振る舞うのが、最強の狂人です。
狂人は孤独です。人狼たちは互いに通信することができます。仲間の処刑を嘆き、作戦を練ることができます。しかし、狂人は人狼と語り合うことはできません。時には人狼側から喰われてしまうことすらあります。そんな中でも冷静に事態を見極め、人狼側に尽くすのが狂人の役目です。